築地本願寺、外観はかねてから距離を置いておがんでいたものの、この度機会あって、本堂へ足を運んでみました。
築地本願寺は江戸期1617年、浄土真宗本願寺派の江戸別院として浅草に建てられたそうです。こちらが火事で焼失、佃島の門徒が海を埋め立てて再建、ここから「築地」の名前が生まれたとか。1679年再建当時は寺町だったのが、いまや魚河岸というのが面白いギャップだと思います。関東大震災で再び焼け、いまのインド様式を取り入れた石造りの外観になったのは、1934年のことだそうです。
建物正面の顔の部分、丸みを帯びた部分は本堂の屋根で、モチーフは菩提樹の葉。その中央に描かれているのは仏教のシンボルの花でもある蓮の花、とのこと。その建築を行ったのは、建築家の伊東忠太氏。当時の門主 西本願寺第22代大谷光瑞(こうずい)がインド・アジアへ仏教の源を求めて旅をしたことをきっかけに交流があったためだとか。伊東忠太氏はこのほかにも湯島聖堂や平安神宮を設計したそうで、随所に動物装飾をほどこした点も注目されているらしく、伊東忠太動物園(筑摩書房)なんて本も出されているそう。
身近な有名どころ、いろんな面白い話が眠っていたことを知りました。たまには、いつものコースをちょっと外れてみるのもいいものです。