現在一般公開中の迎賓館 赤坂離宮を訪れてきました。あいにくの雨の日でしたが、行ってよかった!の満足感あふれるひと時を過ごすことができました。
世界各国の要人をお迎えし、会議、晩餐会、宿泊施設など、国際外交のステージとして活躍してきた迎賓館。一般公開では、公式利用の主な4部屋をめぐることができます。
幸い事前予約券を入手できたので、フリーで並ぶことなく(フリーの方の行列が雨の中でもすごくて驚きでした)すんなり入場。荷物チェックの上、入場券(大人1000円・中高生500円)を買い求めて本館に入ります。ことあるごとにスマホ写真を撮りあさる私にはツライことに、館内はすべて撮影禁止、調度品は壁や窓、カーテンに至るまで「お手を触れないでください」とのこと。館内、至る所に警備員の方、館内スタッフの方々が目を光らせていました。
迎賓館は、明治期(1909年)につくられた東宮御所が、戦後の改修を経て外国の来賓を迎える迎賓館となった(1974年)経緯があるそうです。オリジナルの東宮御所は、鹿鳴館やニコライ堂、三菱一号館を建てたイギリス人のジョサイア・コンドル Josiah Conder の弟子の片山東熊が建てたそう。
パッと見、きわめて西洋建築っぽいですが、館内よくよく見ると、和のテイストが隠れネタっぽくちりばめてありました。まず目立つところでは、緑青の屋根、日本の甲冑装飾が左右対に”あうん”で座り、中央部には菊の紋章。軍隊がテーマの「彩鸞の間」にもよく見ると甲冑や刀、国旗がアレンジされたモチーフが見つかります(お部屋写真は、内閣府>迎賓館・赤坂離宮の写真集から拝借しました)。
個人的には、拝観ルート最後の「羽衣の間」が気に入りました。こちら、能の演目「羽衣」をテーマにした舞踏会場のつくり、中二階にオーケストラ・ボックスがあります。天井画は「羽衣」の中でも「虚空に花ふり音楽聞こえ、霊香(れいきょう)四方(よも)に薫ず」とある唄(一部)をフランス人に描かせたものだとか。空を舞うバラの花、香炉からたちあがる煙、各種楽器といくつかぱらっと掛けられた布、と、西洋解釈満載でした。羽衣どこいった的な…(笑)。昭和の大改修時に、これを和に返すように、齊田梅亭の截金(きりがね)屏風を納めたとのこと(この屏風は一般公開時にのみ設置するレアものらしい)。こちら全部お部屋のボランティアガイドさんの受け売りです。聴く一方でしたが、おかげさまで、たいへん学びの多い、有意義な時間になりました。ちなみに、好奇心から館内の部屋数を質問したところ、セキュリティ上の秘密と、回答を拒否られました。通路に面した扉に部屋番号が見えたので、気になったんですが、妥当な返事ですね。
期間限定の一般公開なので、お土産は前庭仮設の郵便局ブース、撮影NGだったお部屋写真の切手集+クリアファイルで1260円、ついつい買い求めてしまいました☆
長くなりましたが、このへんで。ご興味のある方は、ぜひ一度足を運んでみることをおススメします。有料ですし、事前予約等手間なこともありますが、後悔しないはずです。
簡単な拝観ルート:
西門(学習院初等科の正面)から入場→本館へ入館→2Fへ→「彩鸞の間」→「花鳥の間」→「中央階段+大ホール」→「朝日の間」→「羽衣の間」→1Fへ→本館出口→主庭の噴水を鑑賞→前庭から本館正面を仰ぎ見る・本館の入口玄関を見る→出口(正門)へ
※各お部屋のボランティアガイドさんの話をがっちり聞くと、滞在時間は2時間クラスかも?単なるお部屋観賞だけなら1時間未満でまわれると思います。