このところ、ふと古本屋に立ち寄って本を読むようになりました。
今年になってから読んで面白かったのが、次の3冊です。
・しんがり 山一證券最後の12人 (講談社+α文庫) 文庫 清武 英利
・永遠の0 (講談社文庫) 文庫 百田 尚樹
・成長から成熟へ さよなら経済大国 (集英社新書) 新書 天野祐吉
しんがりと永遠の0はドラマや映画にもなったので、けっこう誰でも知っていると思われるので、3つ目の天野祐吉さんの本についてちょっと備忘録。
天野祐吉さんは雑誌「広告批評」を創刊したすばらしい広告批評家です。私は子どもの頃から朝日新聞で掲載していた天野さんのコラム「CM天気図」が大好きで、毎週このコラムを楽しみに読んでいたのを今でも思い出します。小気味の良いウィットに富んだ語り調子が子どもながらにツボでした。ずいぶんと大人になってしまった先般、天野さんの訃報を聞いた時には、とても残念でした。
そうして先日、ふと手にした「成長から成熟へ」。懐かしい語り草が読むほどに沸き起こって、たいへん知的に愉快な時間を過ごすことができました。いってみれば激動の昭和~平成を過ごされた天野さん、時に厳しい目も持ちつつも、文化を愛する目を忘れずに笑顔のこぼれるメッセージを発信し続けていらっしゃったことへ、尊敬の気持ちがいっぱいです。発刊からおくれることずいぶんですが、よい本を手にしました。
経済力にせよ軍事力にせよ、日本は一位とか二位とかを争う野暮な国じゃなくていい。「別品」の国でありたいと思うのです。
エピローグ最後の一文にきゅんときました。
しんがりや永遠の0も、小説で読むならではのリアルがあって、読了満足度は高かったです。引き続きよい読書を重ねていきたいと思います。